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無料の同人ゲーム。ねこねこソフトのシナリオライター「片岡とも」の作品です。
余命幾許かの主人公がホスピスで自分と同じ境遇なセツミと出会い、病院を抜け出して淡路島のナルキッソスを見に行くと言うストーリー。両方とも最後は死にます。救いのない話と言えば救いが無いのだけれども、なんだか綺麗に終わるので良い感じではあります。1時間程度の短い話ですがまとまっていて割と満足。
原画は「MITAONSYA」で、背景を入れないとイベント絵は2,3枚程度。水彩画チックな背景で哀愁が漂う感じです。音声もオンオフ選択可能。推奨はオフらしいですが、まあどちらでも良いかと。システムはNスクリプトで、問題ない感じ。だもんで殆どテキストとBGMで場を持たせます。BGMはねこねこ時代に使った流用もありますが、雰囲気にあって良いです。詩的なテキストと併せて行間を読めといった感じですね。
筋自体はまあ良くありがちな感じなんですが、キャラの厭世観が現代的だなぁと。セツミが絶望するまでの描かれ方、外堀から徐々に窒息させられるみたいなのは結構壷でした。結構メタファーも多く読み応えはあります。主人公の名前が一切出てこない辺りとか。個人的はラストの海に向かっていくシーンは何だか悲しくなってしまいましたね。綺麗だけど美しくないなと。
まとめます。雰囲気重視同人ゲー。試みみたいなのは分かりますが、なんというかゲームでも無くてもいいだろと言った感じです。それでも良くまとまっていてやって損な感じはしませんでしたね。因みにナルキッソス2が出るみたいですが、本作の雰囲気というか作りをぶち壊しているので心配と言えば心配。