ゲームタイトル |
|
ブランド属性評価最終更新日 |
『こなたよりかなたまで』を書いた健速氏の作品。
廃墟に連れ込まれてしまった主人公が訳の分からないまま、殺し合いのゲームをさせられると言った筋。ただ皆殺しにすれば良いといったルールではなく、一人ひとりルールに沿って動かなくてはいけなくて、そこら辺の設定が面白そうな感じを思わせます。しかしやっぱり健速は健速というか当然のごとく殺し合いは主軸ではなく、殺し合いをしなければいけないという超非現実的な場面であっても人は人を貫けるかという、健速節炸裂なので戦闘などは殆ど盛り上がらないのが注意点ですね。
原画は「己即是空」。同人作品としてはイベントCGは多めで100枚程。絵の頭身がおかしいのでプレイ中は若干の違和感を覚えますが我慢できる範囲内。システムはパッチを当てないと色々とおかしい動作をしますので要注意といったところでしょうか。テキストはこちら側(ユーザー)を意識している三人称。視点移動が目まぐるしく、書ける人なのか書けない人なのか判断に苦しみます。選択肢は無く、一直線。同時期の『ひぐらしのなく頃に』もそうでしたけど、一直線が流行っているんでしょうかね。後は、おまけに声優のNG集があるは結構面白い試みで、普通に笑ってしまいます。
テーマとしては「人は人を許すことが出来るか」といった感じでしょうか。本編は二章仕立てで、最初はハッピーエンドを迎えるわけですが、次はそうは行かない。最初のハッピーエンドとことごとく逆の結果を見せられるわけです。一章のハッピーな結末はプレイヤーしか知らない。で、それを覆している本人を総一が最終的に許すのをユーザーが許せるか、というゲームならではの手法を取っていて、そこら辺は上手だなと言った感じです。かなりのメタゲーです。健速氏の作品では一番まとまっていて良いと思いますね。
まとめます。同人作品としては一本筋が通っている良作。本作はテキスト500KB縛りがあったらしく色々と伏線などが回収されずに終わっているのは残念ですが、健速氏の作品では一番上手くまとまっていると思うので、好きな人にはお勧めですね。設定が面白そうだと思って買うと失敗するタイプなのが、商業的にはどうでしょうという感じですが。